茅刈り体験会のお知らせ【神戸】と茅喰ふ虫も好き好き

すっかり晩秋の恒例行事となった、神戸市の茅葺き屋根とふれあう月間。身近な草が茅となるさまを体験して頂いている花山中尾台茅刈りイベントの会場となる、住宅地の中に広がる茅場の様子を見に行って来ました。

ススキの生えている野原は定期的に刈り取る事でススキが元気に茂るようになり、やがて一面の銀波がうねるススキの草原となる、筈なのですが、ここの茅場は刈る程にススキは増えているようなのに穂が出ないのが心配です。
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一時は殆ど全滅?という有様だったのですが、ちょっと勢いに欠けているような気もしますが無事ススキの尾花が風に揺れていました。

穂が出ない原因であるニカメイガの幼虫による食害が無かった訳ではないようで、がっつり食痕の残った棹では穂が出ないまま。
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ま、多少虫にかじられていても全体として穂が出てくれていたら、しっかり棹の立った茅として良質のススキが収穫できて、一面の尾花が陽射しに輝く風景をご近所の皆さんに楽しんでもらえたら良い訳で、この茅場でもススキの抵抗力とメイガの食欲のバランスが少しずつ取れて来たのかと、全滅だった時に比べれば楽観的に考えてみたくなります。
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遅咲きの想ひ草(ナンバンギセル)の花を愛でたりしつつ、手をかけるごとに良くなって行く茅場の未来を思い描きながら帰途につこうとしたのですが・・・
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すぐ近くの高速道路境の堤を見て我に返りました。やっぱり、これが正しい茅場の姿です。造りたかった風景はこちら。
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ここは道路管理の為にほぼ年1回行われる除草作業が、ススキの刈り取りのペースと合っているようで素晴らしい茅となるススキが一面に生えています。高速道路敷地内なのでここで茅刈りはできませんが、茅刈りイベントの会場から徒歩1分の距離、刈り取る時期もほぼ同じ。何が違うのかさっぱりわかりません。

そんな訳で今年もちょっと元気の無い花山中尾台の茅場ですが、「神戸市 茅葺き屋根とふれあう月間 2014」では今年も12月6日(土)に茅刈りイベントを開催いたします。
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屋内での茅葺きに関するセミナーと、屋外で茅葺き職人と一緒に茅刈り体験。
ススキが密生していないため手間はかかるものの、刈り取ったススキは茅としてきちんと使えます。神戸市内の文化財修復現場の葺き替えに使う際には、毎回見学会や体験会などを開催して、皆さんが刈り取ったススキが茅となり、屋根となるさまを見届けて頂けます。

ぜひ、ご参加下さい。
お申し込み、お問い合わせは
北区まちづくり推進課 茅葺きがかり
はがき:〒651-1114 神戸市北区鈴蘭台西町1丁目25番1号
FAX:(078)593-1166
電子メール:kitaku@office.city.kobe.lg.jp

ところで、美山町の拙宅周りの茅場のススキにも、ニカメイガの幼虫は入っていいます。
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若白髪のようにぼしょぼしょと混じる刈れた葉は、本来なら棹が立って穂を出し尾花となる部分。でも、全体としてはちゃんと尾花が咲きそろって秋のススキ野原の風景をつくっています。花山中尾台ではなんでこのバランスが取れないのか?
或いは、昨今各地の伝統あるススキ草原、例えば曽爾高原や砥峰高原でもススキの尾花の付きの悪さが問題視されるようになっています。原因はオーバーユースとか鹿の食害とか色々あるのでしょうが、実は今まさにニカメイガがどんどん蔓延しつつあって、そのうち日本中の茅場が花山中尾台みたいになってしまうのでしょうか?

それは、困るなあ。

 

カテゴリー: 茅刈り