月別アーカイブ: 2006年2月

060228 リキオウ/マルゴ

カヤマルでは参加者に、生の現場を体験して職人やお施主さんと本音で付き合ってもらい、茅葺きの良さも苦労も身を以て感じてもらいたいと願っています。
そこで、「お客さん」意識を払拭してもらうためにも、現場でバリバリ働けるように、「地下足袋持参」に拘っているのですが、参加者の殆どは地下足袋をお持ちではありませんから、どこへ行けば買えるのか?どんなものを選んだら良いのか?毎回地下足袋購入ガイドを用意してきました。
で、そこで推奨してきたのが「力王」の「ファイター」と、「丸五」の「ジョグ足袋」なのですが、地下足袋のトップブランドである力王は、時折日経新聞の題字下広告に顔を出します。
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日経新聞と地下足袋という取り合わせを、何ともユーモラスに感じてしまうのは僕だけでしょうか。
しかも、コピーがまた良い。現行は「個性ある精品」。以前は「確かな踏み応え」フミゴタエ!
さらにその前は「強い、履きよい、かっこ良い」だったはず。カッコイイ!自分で言っている!
sh@

0225 ゴモク、土に還る

茅葺き屋根を葺き替えるときの大量の古茅くず=ゴモクは、優秀な肥料としてかつての伝統的な農業生産には欠かせないものでした。
交流民家は新築なので古茅は出ませんが、屋根を葺くだけでもトラック何台分もの茅くずが発生しています。もちろん、これも有機栽培をしている人にとっては、肥料原料や天然のマルチとなる宝の山です。

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バイトのサガラくんが自分の畑に入れるためにゴモクを持って帰りました。

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ゴモクが建築廃材として扱われることなく、資源として土に還ることでカヤマルのマル(環、円、輪)は完結します。

ちなみに交流民家のゴモクは、欲しい方なら誰でも取りに来てもらえるのですが、事前の告知が行き届かなかったこともあって、まだたくさん残っています。
配布時間の延長など条件も緩和される方向なので、興味のある方は明石海峡公園のHPで確認してみて下さい。
sh@

060223 里山の庭師

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交流民家の屋根がようやく竣工にこぎ着けたので、あいな里山公園内にある茅倉庫周辺の茅刈りを行いました。ここは、茅葺屋が市民事業として「あいな茅システムズ」を展開している拠点であり、茅葺きのバックグラウンドソフトである茅刈りを中心とした、里山の維持管理に取り組んでいます。

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茅場の中にあったカヤネズミの古巣。茅場を代表する野生動物で、親指くらいしかないとても小さな野ネズミです。

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こちらは、ウグイスの古巣。茅場の脇に生えている、シノダケの葉を編んでつくられています。

かような生き物達に、生活の場を提供してきた里山の多様で豊かな自然環境は、人が生産活動の場として活用することで産まれ維持されてきました。里山は使ってこそナンボ。保護という言葉は似合いません。もちろん、使い方を間違えるようでは困りますけれども・・・
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茅刈りを済ませて、日の光が当たるようになった茅倉庫のまわりは、まもなく春の野花に飾られるでしょう。林の縁の落ち葉かきをしたところには、早速モズがやってきてエサを探していました。
人の営みの蓄積が風景をかたちづくる。正しい営みを重ねていくことでしか、美しい里山を取り戻すことはできません。
sh@

0219 掃除

草の束である茅は、動かしただけでもぱらぱらと茅くずが落ちてしまいます。茅葺きというのはやたらとゴモクの出る工事です。もちろん、そのゴモクはゴミではなく資源であるのが、あるべき姿です。

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とにかく、毎日掃除していてもゴモクだらけの現場を、引き渡しの前にあらためて清掃。
屋根屋(職人)が葺いているときに、掃除をしたり茅を運んでもらったり、茅を縫い止めるときの針受けをしてもらったりする人を、「手伝い(テッタイ)さん」と呼んでいます。誰でも出来そうな作業に見えますが、実際には工程を読んで材料の配分をしたり、資材の搬入出の手配をしたり、肉体的な負担だけではなく経験とセンスが必要とされる仕事です。
sh@

0216 軒刈り

上から順番に足場丸太を外しては、刈り込んで仕上げてきました。
最後の丸太を外したら、先に軒裏の面を仕上げます。軒のラインに水糸を張ってきちんと水平が出るようにします。

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ハサミの重さを腕で支えて刈るので結構大変です。
軒先の角度を大きくすれば(つまり軒先から斜め下に向かって刈れば)刈るのは楽になりますが、軒端で雨水が切れずに軒裏に回りやすくなるので、軒裏が地面と水平になるくらい軒先は薄くします。
かといって、本当に水平にしてしまうと軒先の強度に問題が生じてきます。屋根表面のように引っ張り出すことは殆ど出来ないので、刈りすぎたらやり直しのきかない一発勝負となります。

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いかんせん、肉体的負担の大きな工程なので、各自色々とやりやすい姿勢を工夫しております。
sh@

0215 刈込み

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屋根の刈込み仕上げを「散髪する」と言います。もちろん、茅が伸びてくる訳ではありませんが。
今日はえらく暖かでしたね。散髪していても眠くて仕方ありませんでした。お客の耳を落とす心配はありませんけれど。

屋根面は完全な平面ではなく、「むくり」をつけてわずかに膨らまします。
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見た目の安定感を得るためと、耐久性を増すために必要なのですが、大工さんのように三角関数を使ってむくりを計算することは出来ませんので、目で確認するしかありません。
軒先から透かしてみたり、横から見たり、離れて見たり。何度も確かめながら仕上げていきます。
sh@

0213 お客さま

刈込み仕上げはカヤマル後も順調に進んでいます。
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仕上げの段階で平面を出すためにたくさん刈り取る事になると、大切な茅材の根元の、一番固くて丈夫な部分を捨ててしまう事になりますから、屋根は葺く段階で平らになるように叩いて揃えてあります。それでも部分的に膨らんだりへこんだりしている箇所はできてしまいますので、刈る前に膨らんだところは叩き、へこんだところは引っ張りだして、なるべく刈り取る量が少なくなるように調整します。
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ところで、今日は現場にゲストがありました。藍那小学校の生徒の皆さんが見学に来られて、茅葺屋スタッフのアベさんと公園事務所のマエダさんの案内で、茅と茅葺き民家のことを勉強していかれました。
団体での見学は随時受付中だそうです。個人でも火曜日の14:00〜見学できるそうです。詳しくは明石海峡公園事務所のHPを参照して下さい。
sh@
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