« 0517 鎌倉の石のこととか | メイン | 0521 屋根は捗らず、鎌倉の話 »

2006年05月19日

●0519 曽爾高原の茅

覚園寺の屋根に葺く茅は、全てスミタさんが奈良の曽爾高原で調達されてきたススキです。
P1020526.jpg
歴史ある茅場の例に漏れず、細くて丈夫そうな茅です。これを切断したりせずに長いままで使います。

押さえの竹のすぐ下にはしっかりと押さえられるように、やや太く長く丈夫な茅を並べます。
0519曽爾の茅3.jpg
そのための茅はスミタさんが「特別に」注文して刈ってもらっているそうです。
おそらく、なだらかな起伏のある高原の中の、やや谷や窪地になった部分で、他より地味の肥えたところに生える茅なのでしょう。

茅の中には茅場に生えるたくさんの野花がドライフラワーとなって混じっています。
0519曽爾の茅.jpg
アキノキリンソウも綿毛となる前の、かわいらしい花のままで束ねられています。
曽爾高原は標高が高く雪が早いので、茅刈りも比較的早い時期に行われるからでしょう。
あきのきりんそう.jpg
ちなみにドライになる前はこんな感じ。
藍那の現場でバイトしてくれた、ニシワキ君が送ってくれました。六甲山系東お多福山でのスケッチだそうです。

刈るのが早いためか、ススキはまだ葉やハカマを落とす程には枯れておらず、茅の中にはそれらが多く混じっていますので、葺いた感じはぼさぼさしたものになります。
0519曽爾の茅4.jpg
しかし、これをハサミで刈り込むと、目の詰まった美しく丈夫な屋根になるそうです。
僕はまだ見た事がありませんが、仕上がりが楽しみです。


ところで、今日はマイミクのichide!さんがわざわざ鎌倉を訪ねて下さいました。
仕事場を見てもらったあとに、由比ケ浜大通りを入ったところにあるラ・ジュルネというご飯屋さんで、おいしいパスタを食べつつ話に花を咲かせました。
P1020763.jpg
デザイナーというのは手の中に納まる道具から、都市を織りなす人と人の繋がりまで、社会に還元するためにより良いコトをデザインする人の事だと思っているのですが、正にそのようなデザイナーな方でした。
佐原市の水郷の再生の話など興味は尽きなかったのですが、しつこく降り続ける驟雨と鎌倉駅のやたら早い終電に急かされて話を切り上げざるを得ませんでした。

その土砂降りの中を駅まで向かおうとしたところ、何と居合わせたお客さんの一人がくるまでわざわざ送って下さいました。行きずりの人の親切は本当に嬉しいものです。ありがとうございました。
また、鎌倉が好きになりました。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kayabuki-ya.net/notebook/mt-tb.cgi/99

トラックバック

» 闇を示す from 一デザイン室
京都の美山在住の茅葺専門の屋根屋さんが、鎌倉のお寺さん覚園寺の茅葺工事をされてるという事で、折角なんで仕事の合間に会いにいった。 屋根の仕事という... [Read More]

コメント

ご紹介いただいた店は親切な店でした。
まるで家庭の延長のような気さくな感じ。@感謝。
否、それだけでない、鎌倉の人は全体的になんとなし、穏和な、訪れる人に好意的な感じがします。
京都もかなり来訪者に親切な町ではありますが、また違う、ゆるい感性。


視察で何度かきてますけど私のような訳のワカラン人間でも、訪れる度に地元の人の親切さを感じます。
住職にも親切にしていただきました。@感謝

結局、町は人が財産なのでしょう。郷土を愛し、よくしていこうというひとりひとりの気持地が集まると持続可能な自治体へなってく感じ。

多分人を育てるのもまた、持続的に自然調和した風土なのでしょう。

ichide!さん、10日遅れの日記にコメントありがとうございます。

住人が自分の町に愛情を持っていれば、来訪者にも自分の町に良い印象を持ってもらいたいと願う事でしょうから、自然とホスピタリティに満ちた対応を取ることができるのでしょうね。

鎌倉の町からは住人の町への愛情が強く感じられます。

スミタさんの葺かれた屋根を拝見したことがあります。「狂いがない」っていう感じで素晴らしいですよね。
屋根のことを充分知り尽くされておられるのでしょうね!

キャリアを積まれた方の仕事には、確かに絶対に超えられないものがありますからね。
仕事を共にさせて頂く事で、手を通じて貴重なものを教えてもらっています。

コメントする