1208 軒付け

現状の屋根はススキで葺かれたものにヨシが差し茅されています。
周囲を木々に囲まれた武相荘なので、今回は雨のかかる屋根面は全て、耐久性に勝るヨシを用いて葺き替えます。
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建物に横付けできない現場では、材料を運ぶひとは大変です。ご苦労様。

古屋根の軒を解体して行くと、一番下の茅は渡した縄をU字に曲げた竹串で止めて固定したありました。
他であまり見たことのないやり方ですが、結構ちゃんと止まっていました。
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ちなみにイギリスの伝統的な茅葺きでは、U字に曲げたヘーゼルナッツの若木(ナラの若木のよう)の串で、屋根全部の茅を止めていますが、それで緩んだりする心配はありませんでした。

例によって雨養生の都合から、軒付けに必要な分だけ解体して葺き始めました。
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下地は竹の垂木にシノタケが横に渡してありました。ちょっと華奢なようにも感じますが、小屋組がそれに合わせて出来ているので問題は無さそうです。

ひとつかみずつヨシを縄でかきつます。
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軒全体を支えて軒裏の化粧ともなるので、きれいで丈夫なヨシを選んで使います。

次に屋根下地に対して茅を角度を付けて葺いて行く事が出来るように、短めでテーパーの効いた材料を並べます。
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通常なら稲ワラを使うところですが、より耐久性を持たせるためにも、古屋根の解体した材料から程度の良いススキを選別し、加工して使用しました。

その上に、ヨシの中から短めでテーパーの効いた束を選んで並べて、竹で押さえて止めます。
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これがほぼ軒の厚みになるので、厚さが揃うように足したり抜いたりして調整し、端のラインが真っすぐに揃うようにして行きます。