私事ではありますが、先日身罷った祖父の骨を納めに、母方の菩提寺を訪ねて山口県の萩まで行って来ました。
幼い頃に何度も遊びに行った、夏みかんの木がたくさん植えられた広い庭のある、祖父母の暮らしていた古い家は、何年も前に取り壊されて既に面影もありません。街も年々変わって行き、思い出と乖離していくことが寂しく暫く足が遠のいていたので、久し振りの萩行となりました。
今回は少し市内を歩き回る時間がとれたので、あらためて時間をかけて眺めてみれば、武家屋敷、商人町、寺町、港の区割りのそのままに、それぞれが往事の空気を醸しつつ住宅地として、或いは商業地区として落ち着きを見せる市内の空間の魅力はかなりのものでした。
市街地に隣接して美しい砂浜があり、市内を流れる川には鮎が遡り、市内から車を5分も走らせればホタルが乱舞する、自然に恵まれた街にふさわしい街並だとあらためて感じました。
茅葺き民家もトタンを被せられたものを市の周辺に多く見かけました。
寄せ棟のかわいらしい茅葺きで、石垣の美しい棚田の風景と石州瓦の赤い家並に良く似合っていました。
茅葺きと言えば茅場について考えずにおれません。
小郡への帰路、日本有数のカルスト台地の秋吉台を通るルートを選びました。
採草地としての管理を長年積み重ねられて来た草原は、しかし、車道からちょっと覗いただけではススキではなくネザサが主な植生のように見えました。
もともとそうだったのか、近年草原の管理が難しくなる中でそうなっていったのかは、わかりませんが。
萩にこられていたんですね。ちょうどその頃、堀内の城内にある茶室の茅葺屋根を地元(萩市鈴野川)の職人集団が葺き替えていたようです。
こちらの家は京都美山などと比べるとみんな小さいですよね。毛利の殿様の支配がきつかったようです。相当年貢を搾られていましたし、家のつくりどころか衣服にいたるまで制限されていました。その影響で家の構えが小さく、おのずと茅葺の屋根も小さいものになっています。いまはほとんどトタンを巻いたものになってしまいましたが・・・
地元の職人たちとの交流か何かでいつかお会いする機会があれば嬉しいですね。
みやきん さん、コメントありがとうございます。
萩城は石垣だけ眺めて通り過ぎてしまっていました。もっと時間が取れて城内までまわれたら、葺き替えの様子など見せて頂けたかも知れないと思うと残念ですが、
今回萩の魅力について認識を新たにしましたので、いずれ再訪して時間をかけて過ごしてみたいと思いました。
地元の職人さんや茅葺きに関わる方々とも、いつかお会いすることができればと願っています。
shiozawaさんが萩という土地に向けるまなざしが、写真からよく伝わってきます。
萩は美しい街ですね。そして、こんなに海が近いとは。
それにしても、すっかり夏の日射しですね。
千 さん、コメントありがとうございます。
萩は本当に美しい街です。武家屋敷だけではなく城下町全体が、それぞれの魅力的なたたずまいを残しているところが素晴らしいと思いました。
そして海、山、川の恵まれた自然も大切にされていて、暮らす方々の街への想いが感じられました。