071104 笹葺きワークショップ

丹後半島の上世屋という集落で笹葺きの屋根を葺くのを、ヤマダさんや丁稚サガラとお手伝いしに行ってきました。
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作業の中心となっているのは、立命館大学経営学部の学生が中心となる「丹後村おこし開発チーム」の面々。
葺いているのは、丹後の里山で彼等が刈り貯めたクマザサ。
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笹葺きに携わるようになってすでに5年。笹を葺く手元はすっかり頼もしく、習得した技術は先輩から後輩へと伝えられて、しっかりと根付いています。
笹葺きの工程は、
長短の笹を捌きながら葺き重ねて、適切な角度を保ちながら厚みを出して行きます。

ひと針分の厚みを葺いたところで、押さえの竹を屋根裏に入った人と協力しながら縫い止めて行きます。
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屋根を縫い止める大きな針の扱いも手慣れたもの。

皆で並んで竹を踏んで締めつけ、縄の端は男結びで緊結します。習熟に時間のかかる男結びを、かなりのメンバーが完全にマスターしていることに驚かされました。
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縫い止めた縄の部分には、針目覆いに稲藁をかきつけていきます。
この上にまた笹を葺き並べて行きます。

笹葺きは京都北部では一般的な茅葺きでしたが、ほとんどの屋根にトタンが被せられたため、葺き替えの機会が無くなってしまっていましたから、彼等を手伝うことで、僕もとても勉強させてもらっています。
やはり、実際に葺いてみないと、技術は理解できませんので。

ここの活動で感心させられるのは、単なる笹葺き民家の再生にとどまっていないことです。
日本の自然環境は、そこで人の生業が営まれることで維持されてきました。この上世屋でも人と自然の共生する暮らしの中で、笹葺きの屋根が当たり前に葺き替えられて来た訳です。
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葺き替えのための笹刈りが、周りの里山の環境を劇的に好転させていく様を、自ら体験した彼等の視線は、「村おこし」のために「開発(継承)」するべき文化の本質まで届いていることを、今回確かに感じることができました。

上世屋の集落では稲を干し終わったハサ木に、蕎麦やキビ、大豆、小豆などが干されていました。
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素晴らしい棚田や、そこで多様な穀物を育てるこの地に根差した百姓の百の技も、笹葺き屋根と同じ大切な暮らしの文化として、やがて体験を通じて吸収していってくれることでしょう。

丹後の別の集落にある、今でも笹葺きのままのお宅も拝見させてもらってきました。
昭和10年に水害の被害を避けてこの地に移築してから、ご当主が自ら笹の差し茅を続けながら、今日まで暮らして来られたそうです。
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しかし、ご当主がご高齢になったこともあり、ここ数年は手入れが行き届いていないとのこと。確かに早急な葺き替えが必要となって来ているようです。
上世屋で腕を磨いた若い力が、ここでまた一肌脱ぐということになりそうですが、そうなれば、こちらも傍観している訳にはいかないですね。
丹後では笹が繋ぐ人の輪が広がりつつあるようです。