美山町の鶴ヶ岡地区にある、きれいな谷川沿いの集落を一番奥へ入ったお宅へ、葺き替えにやって来ました。
予定では一週間以上前の着工のはずでしたが、今日まで雨に降り込められてほとんど進められずにいます。
雨の日が休日の屋根屋としては、朝目を覚まして寝床の中で聞く、たまの雨垂れの音には安らぎを覚えるのですが、さすがにこれほど仕事ができないでいると心身ともにおかしくなって来ます。
何よりフトコロが干上がってしまいます。生活して行けません。
台風が過ぎ去ってもまだ空はぐずついていますが、我々はこれ以上ぐずぐずしてはいられません。きれいな屋根でお盆を迎えて頂けるように、湿っぽい中足場を組んで古屋根を解体する機会をうかがいます。
北側の屋根一面に厚く重なった苔は、たっぷりと雨を含んで青々としています。まず、これを鍬でかき落としてしまいます。
屋根裏に保管してある茅を搬出して軒を付けるために必要な、最小限の部分をまず解体します。
しかし、屋根裏の茅をいくらも出さないうちにまたもや本降りの雨に。
僕等が濡れるのは一向に構わないのですが、お施主さんが刈り貯めた大切な茅を濡らす訳には行きません。捗らない進行にストレスを抱えつつ、本日もまた早仕舞いでした。
確かに雨が続くと干上がりますね。
同じです。
とても素敵なコケ(屋根にはいらないものですよね)落としたのを拾いたいくらいです。
この民家も葺き材を全部剥ぎ取り、小屋組をあらわにすると、以前お話されていた垂木は放射線状に組まれているのでしょうか〜?
棟木から上の茅の噴き上げをどのようにされるのか見学に行ってみたいものです!
ceico さん、ルナルナ さん、コメントありがとうございます。
>ceico さん、
庭師のお仕事も天気には苦労なさるのでしょうね。
今月はかなり苦しいです・・・お盆に休めないかも。
溜まっているデスクワークを片付けるのには調度良いのですが、日銭を稼がないといくら座っていても収入になりませんからね。
屋根表面の苔は、茅葺きの循環する輪の中からはじかれてしまう廃棄物なのです。畑に入れると地力が落ちてしまうとかで。
何とか苔玉にでも仕立てて配ったりできると良いのですが。
>ルナルナ さん、
こちらのお宅もレン(垂木)は放射状に流してあって、斜めのスミレン(角垂木)の上に破風の部分が載っています。
棟木から上というと棟の積み方でしょうか?
順調に行って来月初めですかね〜。
雨続きだと現場仕事の方は大変ですよね。
でも、暑〜い夏に向けて、身体を休めるのも大切ですよ!
それ以上に、滑ったら大変。
くれぐれも、ほどほどに…。
kimiyo さん、お気遣いありがとうございます。
確かに仰る通り、梅雨が明ければ屋根に上がるには過酷な季節が始まります。
ケガをするのも日の暮れ時と並んで雨の日が多いですし・・・気持ちは焦りますが安全第一でやって行こうと思いますので。ありがとうございました。