1207 続・軒付け/しっかり野菜

投稿日: 2件のコメントカテゴリー: 茅葺き現場日誌@藍那Cハウス棟

軒先の水切となる部分は、良質なヨシを選んで一束ずつ針金でかきつけて止めます。
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さらに両角を付けた分だけ茅を葺き並べて押さえ竹で固定し、軒がしっかりと固まりました。

ここまでの工程で、屋根全体のプロポーションも決まります。
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軒がついたことでシートが風をはらむ危険も低減し、雨漏りの不安も軽くなりました。
特殊な屋根下地のことは気にかかりますが、とにかく最初の山場は越えました。

ところで、今回手伝いチームに参加して下さっているアルバイトの方に、有機栽培農家の方がおられます。
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現場で毎日出る茅くずを堆肥原料として引き取ってもらい、宿舎には立派な冬野菜をたくさん差し入れて下さいます。

おかげで今回の宿舎は、思いのほか食生活が充実しています。
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良い野菜を大勢で調理して、大勢で食べるのですから美味しく無いはずがありません。
茅葺き大家族生活。

1212 ひと休み

投稿日: カテゴリー: 茅葺き現場日誌@藍那Cハウス棟

ストローベイル(正確には稲藁ベイルですが)が運び込まれて来ました。
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ストローベイルハウスと言ってもベイルのブロックを積み上げて家にするのではなく、木造在来の柱梁構造に断熱壁材としてベイルを使用するようです。
日本の法規制を考えれば賢明な方策だと思いますし、そうでなければ茅葺き屋根を支えることもできないでしょうし。

屋根の格好も次第についてきて、建物の内装工事も本格化して来ましたが、クラブハウス棟の屋根葺きはここで一旦お休みにします。
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今回公園内に建てられる、もう一棟の茅葺き屋根を先に仕上げてしまいます。
限られた人員を振り分けるよりも、集中して一棟ずつ仕上げて行った方が効率が良いという判断です。

これは先日打ち合わせに赴いた際の写真。東日本なら珍しく無いサイズかもしれませんが、神戸では指折りだった大きな茅葺き民家を移築して来ています。
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鳶さんが素屋根をかけてしまう前なので、骨組みだけでも車などと比べて大きさを感じてもらえるのではないでしょうか。

こちらの現場は、ヤマダさんの山城萱工房が仕切ります。
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クラブハウス棟の一時撤収準備と平行して、既に下地組みが進められています。明日からは茅葺屋もこちらに本格的に合流します。

0205 Welcome back

投稿日: カテゴリー: 茅葺き現場日誌@藍那Cハウス棟

さて、「あいな亭」は竣工しましたが、藍那での屋根葺きはまだ終わっていはいません。
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ストロウベイルハウスの屋根がまだ途中だったのを忘れてはいませんよね?

暫く放っておかれた屋根を手直しして破風板を取り付け、のべ茅を入れて葺き上げ再開に備えます。
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こちらはすっかり足場が解体されて全景が現れたあいな亭。
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神戸市内でも有数の規模の大きな茅葺き民家だったこの家。解体される前にも何度も通いましたが、こうして見ると随分と雰囲気が変わりました。
屋根はオリジナルに忠実に葺いたつもりでしたが・・・建物は建っている場所にも、長い時間や人々の想いの込められた必然がありますから、古材を用いても移築すればその歴史を引き継ぐことは難しいのかもしれません。
もちろん解体されてしまうことを思えば、ここ藍那の里山公園で新たな歴史を刻みはじめたことは、とても喜ばしいことですけれども。

0208 葺き上げ

投稿日: カテゴリー: 茅葺き現場日誌@藍那Cハウス棟

既に難しい軒の部分は済ませてありますから、どんどん葺いていきます。
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並べた茅を屋根に固定する押さえ竹を締めつける時には、なるべくたくさんの人数が並んで呼吸を合わせて踏みしめます。
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ひとりで締めると押さえ竹や、それを縫い止めている針金に負担がかかって折れたり切れたりするし、もちろん並んで締めた方が良く締まるからです。

あいな亭に集まったメンバーほぼ全員がこちらへスライドして来てくれているので、葺き上げはぐんぐん進みます。
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0213 雪の季節

投稿日: カテゴリー: 茅葺き現場日誌@藍那Cハウス棟茅葺屋の住まい@砂木の家/新築

所用があり美山の自宅の様子を見て来ました。
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今シーズンは晩秋にカメムシが多くて嫌な予感がしていましたが、やはり雪の多い冬となってしまいました。
「カメムシの多い年は大雪」

雪が積もらないように軒先の足場板は全てはずしてあるので、雪下ろしをしようにもあがることも出来ません。
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まあ、屋根の上においておけば晴れた日には溶けるし、これ以上は積もらないだろうと思っていたのですが・・・一週間ほどあけて行ってみると更にひどいことに。
春まで無事なのを祈ることしか出来ません。

カメムシの多い年だからなのか、神戸の藍那まで雪に見舞われることが多くなってきました。
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本格的な雪の季節になっては、茅屋根葺きは捗りません。