0920 刈込み仕上げ

投稿日: 4件のコメントカテゴリー: 茅葺き現場日誌+古民家族@船坂/旧坂口家

5月から延々と続いて来た、船坂集落の旧坂口家の屋根葺き替え、泣いても笑っても今日仕上げないと、いよいよ後がありません。
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みんなが寝ている間に、こびとさんが刈り落としてくれた軒裏ですが、あえて学生の仕事も残しておくという、心憎い配慮もされていました。

こびとさんが・・・というか、山城萱葺き屋根工事のヤマダさんなんですけれども、堅いヨシやススキで葺かれたところを刈り落として、柔らかく刈りやすい稲ワラの部分を残してくれています。
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さらに所々稲ワラの部分も仕上げてあるのを参考に、職人さんから借りた屋根鋏で軒刈りに挑戦。
言う程簡単ではありませんが・・・

半日かかって何とか軒裏が落ちました。
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最後の工程、軒の上端を刈り込んで仕上げます。

職人と並んでさくさくと・・・リズム良くとは行きませんが、重い屋根ハサミの扱いにも、少しは慣れて来ましたかね。
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仕上がった面から足場の解体も進めて行きます。
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安全に解体するために切断する順番はもちろん、危険な番線クズが散らからないように、クリッパーで切断する箇所にも気を遣いましょう。

家の中では大掃除が佳境を迎えています。
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屋根の葺き替えをすると大勢出入りしたり、屋根裏から茅を下ろしたり上げたり、どうしてもほこりっぽくなりますからね。
しかし、そこまで磨いて、前よりもきれいになったのでは?

押さえ竹を縫い止める際に屋根裏にはみ出したり垂れ下がったりした茅を、一本一本手鋏で取り除いて行きます。
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このひと手間を惜しまないことで、縁側に座って眺めたときの屋根の表情がずいぶん違います。

最後に職人が軒端のラインを揃えるハサミを入れて、全ての工程を締めくくります。
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足場を解体して掃除が済んだら、竣工です。
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古い屋根と新しい屋根の境のブルーシートは、しばらくこのままにしておかざるを得ませんが、とにかく雨漏りは無くなり、みんなが集える広い軒先が出来ました。

1016 ビエンナーレ+茅葺き古民家

投稿日: カテゴリー: 茅葺き現場日誌+古民家族@船坂/旧坂口家

古民家族が活動させてもらっている西宮市山口町の船坂集落で、西宮船坂ビエンナーレが開催中です。
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再生中の古民家2棟も、もちろん参加とのこと。ちょっと覗きに行ってきました。

庇のシコロ(錣)屋根の瓦が葺き直されている!
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見えるところだけ・・・でも随分しゃんとしましたね。見違えました。古瓦を再利用しているところがまた、良い感じ。苫葺きの軒も補強されているし。

アーティストの作品発表の場となり、古民家そのものもアートとして体験できるように設えてありました。
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アートと茅葺きと、おもてなしのお茶に人が集います。

週末には古民家族の学生メンバーがボランティアで常駐して、古民家の解説などこなしているそうです。
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学生にとっても、たくさんの人たちと話をする良い機会となることでしょう。

夜には別に再生中の茅葺き古民家で、つくり直された囲炉裏のお披露目がありました。
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火も、人を集めますね。