1015 竣工しました

投稿日: 5件のコメントカテゴリー: 茅葺き現場日誌@美山.北/甚兵衛

天候にも恵まれて刈込み仕上げは順調に進みました。
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穏やかな秋の日差しの中、北では稲刈りに続いて収穫された、粟(アワ)が稲木で干されているのを目にする事が出来ます。
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ハサミで仕上げて足場を解体し、本日無事竣工しました。
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手前側の小間(妻側の面)は何年か後にあらためて葺き換えます。

茅葺き屋根は北側と南側、棟の方と軒の方、大間と小間で日当りや雨水の流れる量が異なりますから、傷み方にも差が出て来ます。
毎年少しずつ刈り貯めた茅で、傷んだところを順番に葺き替えていくのが本来の茅屋根の葺き替えの在り方です。この時の屋根の分割の仕方は、地域による気候風土の違いに即して、最も効率が良くなるように工夫されて来ました。
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北の「かやぶきの里」はもちろん、美山とその周辺では屋根を上半分だけ葺き換えた、つぎはぎの茅葺き屋根が目につきます。
茅屋根の葺き替えが文化財保護のための特別なことではなく、そこに住む人の暮らしの中で当たり前に続けられている事、そのような住人の意識こそが、「かやぶきの里」美山の一番の財産なのではないかと思っています。

1012 棟収め

投稿日: 10件のコメントカテゴリー: 茅葺き現場日誌@美山.北/甚兵衛

美山では朝晩は冷え込むようになって来ました。
朝起きて曇っているようでもそれは秋の霧で、上空には青空が広がっています。こんな日は間もなく晴れて気温も上昇して来ます。
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10時をまわればこの通り。
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ちなみにこれからの季節の美山で逆に朝から青空が見えていると、昼までに天気は崩れて来ることが多いので、写真を撮りに来られる方などはご参考までに

夕方にはいよいよ葺き上がり、明日は棟上げです。
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と、思っていたら、また雨。

一日休んで本日、気を取り直して棟収め。
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今朝も冷え込んで霧が出ていますが、既に霧を透かして青空が見え始めています。

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秋晴れのもと順調に棟を収める事が出来ました。
が、ちょっとお日柄が悪いということで(本日は仏滅)、仕上げのユキワリ(棟飾りの横木)は上げずに待機して別の工程をこなして来ました。

1009 葺き上げ/連休の美山

投稿日: 7件のコメントカテゴリー: 茅葺き現場日誌@美山.北/甚兵衛

週末になってようやく雨が上がりました。

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これほど長期にわたって天候が荒れるとは。油断していました。天気図を読み切れなかった自分が悪いのですが、天気予報に愚痴の一つも言ってみたくなります。

日曜日は北の八幡様のお祭りで、かやぶきの里の中を神輿が練り歩いて行きました。
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行楽シーズンの連休で、かやぶきの里も大勢の観光の人達で賑わっています。
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茅葺きの葺き換えに興味を持って頂けるのは嬉しいのですが、北集落の住宅には塀や垣根がありませんので、うっかり他所のお宅の庭や畑に入り込んでしまわないようにご注意下さい。
見学は町道上からどうぞ。また、しつこいようですがくわえ煙草は厳禁でお願いします。

連休最終日は久し振りの快晴でした。
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お祭りもすんで現場の人数が揃った事もありますが、天気が良いとやはり仕事は捗ります。

1007 雨月

投稿日: カテゴリー: 茅葺き現場日誌@美山.北/甚兵衛

美山では雨に降り込められてもう3日目です。
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あまり雨が続くと屋根屋のフトコロは干上がってしまいます。

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昨晩の中秋の名月ももちろん顔を見せてはくれませんでしたが、雨の止み間に庭に出てみれば月夜の曇り空は全天がぼんやりと光っていて、月も無いのに庭も明るく不思議で良い感じでした。

1004 銀波うねる季節の美山

投稿日: 2件のコメントカテゴリー: 茅葺き現場日誌@美山.北/甚兵衛

きたむらではススキの尾花が秋風に揺れています。
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月初めから美山に戻って葺いています。
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僕が神戸で茅運びをしている間は続きの工程ではなく、それまで手をつけていなかった南側の大間の下半分の差し茅をされていたそうです。

わざわざ取っておいてくれるなんて・・・
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と、いうか、角の部分は職人の個性が出るところなので、続きをするのを皆が嫌がったのかも。
と、いうのは、もちろん冗談ですが、それぞれの角は一人の職人が責任を持って葺き上がった方が良いのは確かです。