0330 胡麻の里再訪

投稿日: カテゴリー: 茅葺き現場日誌@かやぶき音楽堂

一昨年、後ろの音楽ホールになっている本堂を差し茅で修復したかやぶき音楽堂にまたやって来ました。
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今回は手前の住居に使用されている庫裏を差し茅します。

差し茅はあくまでも屋根葺き替えの期間を延ばすためのメンテナンスです。あまり手間がかかるようでは葺き替えた方がましになってしまいますし、かといって急ぐあまり手を抜いてすぐに傷むようではやらない方がましとなってしまいます。
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限られた予算と工期の中で最大の効果が得られるように、手際良く仕事が進むように集中して行きたいと思います。

0401 続・差し茅

投稿日: カテゴリー: 茅葺き現場日誌@かやぶき音楽堂

我々関西の茅葺き職人は、通常なら先に大間(屋根の平面)を葺いてから、それを規準に小間(屋根の妻面)を葺くのですが、事情があり先に小間を葺いたので少々差しにくい思いをしました。
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アリゴシまで葺き上がったのでこれからはもうそんな不自由はありません。

ところで工期中は現場に泊まり込ませて頂いているのですが、こちらの茅葺き民家は「茅葺き住宅」として活用するために、色々とアイデアを凝らしたアレンジがなされています。
僕が寝ている屋根裏を改造した2階の間もそのひとつ。大きく開けられた窓からの光が美しい屋根裏の造作を照らしています。
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ただし、居室の天井が茅葺きの「現し」だと、やはりゴミやホコリが落ちて来ます。
ましてや屋根葺きの最中なら尚のこと!寝具や着替えを毎朝シートで養生することは欠かせませんでした。

僕の個人的な考えとしては、茅葺き屋根の下は居室に使う天井のある部分と、縁側や土間、囲炉裏の間など「半屋外」として割り切り吹抜けにする部分に分けてしまった方が、住宅としては使いやすくなり屋根も長持ちするのではないかと感じています。
そのあたりのことは砂木の家で試してみたいと思っています。

0403 続々・差し茅

投稿日: カテゴリー: 茅葺き現場日誌@かやぶき音楽堂

ほぼ棟の際まで差して上がって来ました。
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今回の差し茅修理はここまでです。

棟に近づいて見てみると、棟に段を付けて積んだワラが何カ所も引っ張り出されていました。
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おそらくカラスの仕業かと思いますが、エサを穫っているという説には首を傾げます。茅葺き屋根の中は乾燥しきっていて、カラスのエサになるような大きな虫はほとんどいませんし、何より葺いたばかりの屋根からも茅を引っ張ります。カラスほど頭の良い鳥が新築の屋根には虫がいないことを理解できないとは思えません。

やはり、遊び半分なのではないかと。