0620 差し茅/棟修理

投稿日: 2件のコメントカテゴリー: 茅葺き現場日誌@美山/M窯

毎年我が家の庭に一輪だけ咲いてくれているササユリの花。
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昨年の鎌倉長期滞在 途中に帰った際には見付けられず、自宅周りの造成で石垣を削った影響で絶えてしまったかと思っていましたが、今年も花を咲かせてくれました。

棟は丁寧に積んでいたつもりでも、年月が経つうちに傾いて来てしまうことがあります。
日当りの差がきつかったり、鳥や動物がいたずらをすることもあります。
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傾いてしまった屋根は雨養生の杉皮やトタン板を外して、茅を積み直したり適宜差し茅することで修正します。

傷みやすい棟飾りの一番上に渡してある丸太「ユキワリ」も、腐って折れていたので新しいものに交換しました。
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と、言いますか、僕が萩に行かせてもらっているあいだに直してありました。おつかれさま。

棟の修繕も済ませた母屋の方は、刈込みも仕上げの段階に入っています。
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やや後回しになって来ていた、方丈の差し茅にも力を入れて行きます。

0627 竣工

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母屋は軒裏も刈り落としてほぼ仕上がり、順次足場の解体に移ります。
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いよいよ梅雨らしく雨が強く降り込める日も多くなるなか、合間をついて方丈の差し茅も佳境に入って来ました。

雨の止み間は森の蒸気に満ちた空気がねっとりとまとわりついて、思わず出た「ヒレを付けたら泳ぎ出せそう」という台詞にはげしく同意してしまいました。
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しかし梅雨が明けたら明けたで、屋根の上に一年で最も暴力的な日照の降り注ぐ季節が到来することになるのです。

何とか方丈の刈込みも終わり竣工です。
もっとも、僕は皆が蒸し暑さに弱っている中、最後の2日間は現場を離れており、仕上げには携わっておりませんが。
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そういうわけで、この竣工写真に限り photograph by Yu Osaki ですので。