1221 棟上げ/刈込み

投稿日: カテゴリー: 茅葺き現場日誌@美山/Ni邸

お天気続きで、無事に棟が収まりました。
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平行して、納屋の差し茅をするための足場を組んでいます。

ケラバを刈込む、美山茅葺き(株)のナカノさん。
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入母屋づくりの屋根にとって、ケラバは顔とも言える場所です。仕上げのハサミをかけると、草を積み上げた屋根が端正な表情に一変します。
手間のかかる隅の部分をひとつひとつ積んで来た職人にとって、仕事の成果を問われるとともに、誇らしくもある工程です。
ケラバを刈り落とすことが、屋根屋の花型のひとつかもしれません。

きれいに軒まで刈込み、終了です。
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仕上がった母屋の方は先に足場を解体してしまいました。納屋の差し茅をしている間に、掃除を済ませてしまうためです。

アリゴシから上だけ葺き替えた裏側には、意図的な段がつけられています。
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このような「つぎはぎ」のある屋根が見られることこそ、美山町では茅葺き屋根が暮らしの中で普通に使われいていること、言わば茅葺きが「生きている」ことの証しなのです。

1213 棟積み

投稿日: 2件のコメントカテゴリー: 茅葺き現場日誌@美山/Ni邸

暖かい天候に恵まれて、葺き上げ作業が続きます。
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裏側も棟まで葺き上がりました。

棟を積むあいだも、晴れてくれることを祈ります。
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特に風は困ります。

幸い今のところ穏やかな毎日。
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隣りの納屋の屋根も直すことになりました。
もうしばらく、小春日和が続いてくれると良いのですが。

1211 葺き上げ/小春日和

投稿日: 2件のコメントカテゴリー: 茅葺き現場日誌@美山/Ni邸

季節が秋から冬へと移り変わるにつれて、霧の出る日も少なくなりつつあります。
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久し振りに濃い霧に包まれた朝でした。

霧が晴れると昼間は陽射しがたっぷり。
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暖かな日は作業も捗ります。

陽射しに誘われてか、畔にはタンポポが花を開いていました。
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在来種のカンサイタンポポは、街に咲くセイヨウタンポポに比べて、地味と言うか、おしとやかな印象です。

1208 葺き上げ/裏側

投稿日: カテゴリー: 茅葺き現場日誌@美山/Ni邸

しばらく野添の現場を空けているあいだに、美山では毎朝あたりまえに霜の降りる季節となりました。
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今朝も良く冷え込んでいます。

茅葺屋が笹葺きやら茅刈りやらしているあいだにも、現場では美山茅葺(株)の面々が着々と葺き上げ作業を進めておられていました。
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表側は新しい屋根がすっかり棟まで葺き上がっています。

そこで、反対側の屋根の葺き替えに廻ります。ただし、こちらはアリゴシから上だけの葺き替えになります。
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と、いうのも、屋根は北側南側だけでは無く、上と下でも雨水が流れる量の違いで傷み方に差が出ます。こちら側は傷みやすい下半分を既に何年か前に葺き替えているので、上半分だけ葺き替えるのです。
ちょど、10月に葺き替えたN邸のときの逆になります。

1207 カヤカル'08@美山・2日目

投稿日: カテゴリー: 茅刈り体験会「カヤカル」

カヤカル2日目。一晩寝ると初日の体験が熟成されて、技術として身についているか試すときです。
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朝は、霜柱が大きく育つほど冷え込みました。

が、今日作業する茅場は陽当たりが良いので、朝日に照らされて茅は乾いていて、刈るのに支障はありません。
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本来ススキは、このような陽当たりの良い乾いた場所に生えるものです。かつての里山では、ススキに適した場所が選ばれて茅場として手入れされて来ました。

昨日と今日と、同じススキでも場所によって、手入れの程度によって、茅としては随分と質が変わって来ること実感してもらえたのではないでしょうか。
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遠くにお堂を眺めながら、カヤカル参加者の手際もすっかりサマになっています。

そして、手入れの行き届いた茅場からは、カヤネズミの古巣が。
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ここでは晩夏には、スズムシの声も良く聴こえます。

みんなで刈り集めた茅で、初夏にはこのお堂の一部を葺き替える予定です。
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そのときにはまた、ぜひ地下足袋履いていらしてください!