カテゴリー: 茅葺き現場日誌@藍那交流民家
0124 ヨシ葺き工程
ヨシはススキよりも立てた角度で並べるうえに、葉っぱなど少なく滑りやすいので、ズレ止めの板を立ててから並べ始めます。
長いもの、短いもの、先細りのもの、穂先の大きなもの、屋根の勾配や材料の残りを勘案しながら、上手く納まるように何層かに分けて並べます。
両隅を参考にしつつ、必要な量の茅を並べたら、足場にする丸太で仮押さえして板を外します。
両隅に合わせて屋根の角度が出るように叩き揃えます。
茅押さえの竹を屋根裏に待機する人に手伝ってもらって(針受けという作業です)、下地のレン(垂木)に縫い付けます。
茅押さえの竹を、足で踏み固めて固定してから、もう一度叩き揃えて仕上げます。
以上を繰り返して、ここまで葺き上がってきました。
sh@
0125 カヤカル収穫使い初め
茅葺き交流館では、ヨシ葺きとススキ葺きのハイブリット工法を採用しています。
雨水の流れる量が多く傷みやすい軒周りには、耐久性のあるヨシを使って葺いてきましたが、そろそろススキに移行するので、カヤカル1で収穫して乾燥させてきた淀川のヨシにも手を付けました。
カル2、カル3で収穫したススキも、良い具合に乾きつつありますから、随時屋根に葺いていく予定です。
今日は足場の北、西面に風除けのネットを張って頂きました。冷たい季節風を凌げるようになれば、労働環境は大幅に改善されそうです。
sh@
0127 (元)茅場に咲く野花
阿蘇から来た茅束に混じっていた、ツリガネニンジン、シラヤマギク、アキカラマツ、アザミ etc.
バイトのニシワキ君が名前を教えてくれたので、「雑草」から「野花」に格上げすることができました。
名前がわかるのってうれしいですね。
何れも草原性植生に依存する植物で、日本から「原っぱ」が無くなっていくにつれて、次第に数を減らしているそうです。さすがに阿蘇は数百年単位で草刈り、放牧、野焼きによって手入れされてきた草原だけあって、これらの野花もまだ豊富なようです。
あいな里山公園でも、須磨ニュータウンの「原っぱ」でも、茅刈りを続けてさえいれば、いつか咲いてくれるはず。きっと。