2008年02月02日

●0202 続々・刈込み

軒裏が落ちたら最後に軒先を刈込み仕上げると、軒端が決まって完成です。
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毎日繰り返して来た掃除もいよいよ最後の仕上げ。仕上がった軒端を傷めないように、シコロ屋根の瓦も傷めないように、しかし念を入れてきれいに。
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藍那の現場のために集まってくれた手伝いチームの皆さん、一つの屋根をついに仕上げるまでになりました。

職人も手伝いもこの屋根のために集まった全ての人が、それぞれ自分の仕事をやり遂げてついに大きな屋根が竣工しました。
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おつかれさまでした!

2008年02月01日

●0201 続・刈込み

素屋根の解体が進んで、葺き上がった茅葺き屋根の全体が姿を現しました。
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こうして外から見ても、やはり大きいです。

棟から順に足場の丸太を外しながら下りて来た刈込み作業は、全ての足場丸太を外して軒裏の仕上げにかかっています。
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2008年01月28日

●0128 刈込み(雪模様?)

軒を付けてから下から順番に葺いて来て、棟を積んだら屋根は葺き上がりました。
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今度は上から順番にハサミで刈込み仕上げをしていきます。

ところが、素屋根がかかっていたはずなのに茅屋根に雪が積もっています。
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棟が収まり雨漏りの心配が無くなったので、早速鳶さんが素屋根の解体を始めているのですが、折悪しくこの冬最初の本格的な雪模様となりました。

雪降りの中での刈込みは、微妙な凹凸が判りにくく手間がかかります。
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2008年01月21日

●0121 棟収め

裏側のケラバも表と同様に葺き上がります。
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一番上に並べた茅を固定する押さえ竹は、屋根の表裏左右全てが平行に収まるように調整しておきます。

その横竹から針金を回して、横積みにした茅を固定して棟のかたちをつくっていきます。
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一つ積んだらその上に一回り小さくまた横積みにして・・を繰り返して、ケラバの勾配に沿って三角の棟が積み上がるようにします。
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ま横に茅を積んだ棟の部分は屋根を葺いたことにはなりませんので、雨養生の杉皮を被せることになります。
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2008年01月20日

●0117 続・ケラバ積み

今朝はこの冬はじめて、藍那でもうっすらと雪化粧しました。
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冬らしく冷え込んだ朝には、ぬかるんだ作業道も凍り付いて良い具合です。

ケラバを積むまでになると茅材の先は棟を越してしまうようになりますから、屋根の表と裏を同時に葺いては互いの材料が邪魔になってしまいます。
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まず、表側だけを一番上まで葺き上がり、屋根の端から端まで水平になるように細かく調整します。
屋根が大きく棟も長いので、調整もなかなか大変です。

棟を越して裏側にはみ出している表に葺いた茅材の先を切り取ってから、裏側のケラバも積み上げて行きます。
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当然ながらケラバの厚みも、表裏で揃えるようにしなければなりません。

●0115 ケラバ積み

葺き上がりも順調に進んでアリゴシを越え、ケラバを積むまでになりました。
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ここまで来ると屋根も随分小さくなり作業はさらに捗るのですが、軒と並んで茅葺きの意匠を引き締める棟の周りだけに、決して焦らず丁寧な作業を心がけて行きます。

屋根の棟に近い上の方は、茅材としてススキを中心に使っています。
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もともと神戸の摂津地域ではススキが主たる茅葺きの原料とされて来ましたので、そういった建物の歴史に配慮しつつ、水に強いヨシを傷みやすい軒の方には用いて適材適所に使い分けています。

仕事がはかどり屋根が葺き上がるにつれて、材料を運び上げる手伝いさんの負担は増えて行きます。
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加えて日々の掃除も大切な仕事。職人が良い仕事を出来るのも、メンバー全員の細かい配慮の積み重ねがあればこそです。

●0109 冬晴れ

師走を過ぎてもなまぬるい変な天候の日が多くて、今年の冬もまた暖冬なのかと嫌な気分になりつつありましたが、今朝はぱきんと冷え込んで霜が降りました。
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やはり神戸の冬に朝には、冷たく乾燥した空気がふさわしいと思います。

ただ、現場を覆う素屋根には、とても透明度の高いビニールトタンが使われているので、日が射している日中はまるで温室のように暖かくなります。
葺き上がるにつれて素屋根の天井に近づいて来ると、暖かいというより少々暑いほどになりつつありますが・・・
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交流民家の移築された場所では、明石海峡から吹抜けてくる風がまともに吹き付けていましたが、同じ藍那の中でもあいな亭の建てられた場所はとても穏やかです。
伝統的な里山では経験の蓄積を通して、家を建てるのにふさわしい場所というのも選ばれていたのでしょう。限られた時間で整備しなければならない、公園では大変なことでしょうが。