2006年10月15日

●1015 竣工しました

天候にも恵まれて刈込み仕上げは順調に進みました。
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穏やかな秋の日差しの中、北では稲刈りに続いて収穫された、粟(アワ)が稲木で干されているのを目にする事が出来ます。
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ハサミで仕上げて足場を解体し、本日無事竣工しました。
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手前側の小間(妻側の面)は何年か後にあらためて葺き換えます。

茅葺き屋根は北側と南側、棟の方と軒の方、大間と小間で日当りや雨水の流れる量が異なりますから、傷み方にも差が出て来ます。
毎年少しずつ刈り貯めた茅で、傷んだところを順番に葺き替えていくのが本来の茅屋根の葺き替えの在り方です。この時の屋根の分割の仕方は、地域による気候風土の違いに即して、最も効率が良くなるように工夫されて来ました。
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北の「かやぶきの里」はもちろん、美山とその周辺では屋根を上半分だけ葺き換えた、つぎはぎの茅葺き屋根が目につきます。
茅屋根の葺き替えが文化財保護のための特別なことではなく、そこに住む人の暮らしの中で当たり前に続けられている事、そのような住人の意識こそが、「かやぶきの里」美山の一番の財産なのではないかと思っています。

2006年10月12日

●1012 棟収め

美山では朝晩は冷え込むようになって来ました。
朝起きて曇っているようでもそれは秋の霧で、上空には青空が広がっています。こんな日は間もなく晴れて気温も上昇して来ます。
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10時をまわればこの通り。
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ちなみにこれからの季節の美山で逆に朝から青空が見えていると、昼までに天気は崩れて来ることが多いので、写真を撮りに来られる方などはご参考までに

夕方にはいよいよ葺き上がり、明日は棟上げです。
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と、思っていたら、また雨。

一日休んで本日、気を取り直して棟収め。
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今朝も冷え込んで霧が出ていますが、既に霧を透かして青空が見え始めています。

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秋晴れのもと順調に棟を収める事が出来ました。
が、ちょっとお日柄が悪いということで(本日は仏滅)、仕上げのユキワリ(棟飾りの横木)は上げずに待機して別の工程をこなして来ました。

2006年10月09日

●1009 葺き上げ/連休の美山

週末になってようやく雨が上がりました。

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これほど長期にわたって天候が荒れるとは。油断していました。天気図を読み切れなかった自分が悪いのですが、天気予報に愚痴の一つも言ってみたくなります。

日曜日は北の八幡様のお祭りで、かやぶきの里の中を神輿が練り歩いて行きました。
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行楽シーズンの連休で、かやぶきの里も大勢の観光の人達で賑わっています。
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茅葺きの葺き換えに興味を持って頂けるのは嬉しいのですが、北集落の住宅には塀や垣根がありませんので、うっかり他所のお宅の庭や畑に入り込んでしまわないようにご注意下さい。
見学は町道上からどうぞ。また、しつこいようですがくわえ煙草は厳禁でお願いします。

連休最終日は久し振りの快晴でした。
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お祭りもすんで現場の人数が揃った事もありますが、天気が良いとやはり仕事は捗ります。

2006年10月07日

●1007 雨月

美山では雨に降り込められてもう3日目です。
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あまり雨が続くと屋根屋のフトコロは干上がってしまいます。

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昨晩の中秋の名月ももちろん顔を見せてはくれませんでしたが、雨の止み間に庭に出てみれば月夜の曇り空は全天がぼんやりと光っていて、月も無いのに庭も明るく不思議で良い感じでした。

2006年10月04日

●1004 銀波うねる季節の美山

きたむらではススキの尾花が秋風に揺れています。
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月初めから美山に戻って葺いています。
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僕が神戸で茅運びをしている間は続きの工程ではなく、それまで手をつけていなかった南側の大間の下半分の差し茅をされていたそうです。

わざわざ取っておいてくれるなんて・・・
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と、いうか、角の部分は職人の個性が出るところなので、続きをするのを皆が嫌がったのかも。
と、いうのは、もちろん冗談ですが、それぞれの角は一人の職人が責任を持って葺き上がった方が良いのは確かです。

2006年09月24日

●0923 棟の解体(芸州屋根屋の手跡)

いよいよ棟の解体に取りかかりました。
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棟養生の杉皮を止めている「カラミ」を棟の内部から直接針金で縫い止めていたり、杉皮の端を竹串で押さえたり、棟の「段」をススキで造っていたりして、かたちは同じでも美山のやり方とは明らかに異なります。

棟の「段」は美山だとワラで造るのが普通です。
針金が棟の内部へ貫通しているので、その部分では棟の内部まで少し雨水が染み込んでいましたが、「段」がススキで造られているせいか、たいした問題にはなっていないようでした。
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美山のやり方だと杉皮を貫通して縫い止める必要は無いので、棟の中に雨が入る事はありません。
それぞれの技術はどちらかが良くてどちらかが悪いというものではなくて、要はつじつまが合っていることが大切なのだと思います。

とはいうものの、裏表の棟の材料をてっぺんで互いに編み止めたりしていて、美山とは異なる技術で収められた棟はなかなか丈夫そうで参考になります。
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25年前に葺き換えた職人さんは滋賀県から来られた年配の方だったそうですが、葺き方は芸州屋根屋と呼ばれている広島出身の出稼ぎ職人さん達の流れを受けた系統のようです。

それが最も顕著に表れていたのは軒の角の部分の据え方。
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「つくりかや」と呼ばれるパーツをあらかじめ造っておいてから、軒の角に載せて固定します。
丹波では見られないやり方です。
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意匠的に目につく場所でありながらしっかりと固めるのが難しく、傷みやすい軒の角を丈夫に設えるための工夫で、僕は岡山の職人さんと一緒に仕事をさせて頂いた機会に始めて知りました。
地理的に岡山も芸州流の影響を受けているのではないかと思います。

2006年09月22日

●0922 葺き上げ/ゴモクは畑に

北の伝建地区とは離れているのですが、美山の自宅の近所で、茅葺き屋根の金属板による被覆工事が始まっています。
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家の前の田んぼの法面を、毎年茅場として手入れされて来たお宅だったのですが、合併後に茅葺き保存に関する施策が定まらないなか、また一軒茅葺き替えのローテーションを中断されてしまいました。

現場の方は秋晴れのもとキンモクセイの香りが漂うなか、順調に進んでいます。
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お天気続きなのですが台風の気配がどうしても拭えない事もあり、少しずつ古屋根をめくっては下地を直し、順番に葺いて行っています。
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古茅のうち再使用できない分は、畑に積んで堆肥やマルチに利用します。
これからは有機肥料としてより有効に使いこなしていくための方法についても、色々と試して行きたいと思っています。
有機農業に取り組まれている方で良いアイディアをお持ちの方は、お互いに協力できることがないか話し合ってみませんか?
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かやくずは土に還るまでは乾燥した可燃物です。
「かやぶきの里」見学の際は、くれぐれもくわえ煙草はご遠慮願います。