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0819 続・茅喰う虫

花山中尾台の茅場がニカメイガの酷い食害を受けていたので、車を走らせていても路傍のススキが気になって仕方がありません。
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どうも、「若白髪」が目立つような・・・
美山の隣りの南丹市日吉町で、車を停めて確認してみました。

すると、やはり。
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暑さで葉先が枯れることは良くありますが、本来なら一番勢いのあるはずの、葉鞘の中心にある新芽が枯れてしまっていて、その付け根には2つの穴が。

中を開くと、いました。小さなニカメイガの幼虫が4匹。
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ただし、花山中尾台のようにほぼ全ての葉鞘にニカメイガが入って全滅状態という訳では無く、このまま無事に尾花を咲かせそうな様子のススキも少なくありません。
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これはどう考えれば良いのでしょうか。
ニカメイガはこれまでもススキ草原に普通にいて、草原全体としては尾花をつけるススキが多いからそう目立つことでも無かったのか。或いは、現在ニカメイガが突然増えつつあり、やがてどこのススキ草原も花山中尾台のような状況になってしまうのか。

ところで、イネ科の花穂を枯らしてしまうということは、稲が食害を受ければ収穫がゼロになってしまう危険な害虫ですから、田んぼでは一般に入念な防除が行われているそうです。
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これは以前晩秋に撮った写真ですが、篠山にはこのように田んぼの畔を茅場に仕立てているところが多くあります。今回車の中から見た限りでは、このような田んぼの傍の茅場には「若白髪」は目につきませんでした。

かつては茅場では刈り取った後に火を入れることで、害虫の発生を抑えていました。住宅地や道路法面に再生した茅場では、刈り取り後に手間をかけて掃除することで野焼きに替えようと努めて来ましたが、昔からの営みにはやはりそれぞれ意味があって、現代の都合で簡単にアレンジできるものでは無いということでしょう。

とはいえ、田んぼのように農薬を散布する訳にもいきませんので、さて、どうしたものか。

0714 茅喰う虫

神戸市北区役所主催の茅刈りイベントの会場として刈らせてもらっている、花山中尾台の茅場の様子を見に行って来ました。
ここ数年茅刈りを続けて来た事で、茅になるススキの葉は良く繁るようになって来たのですが、ススキの花である尾花だけが立ち枯れてしまう事が続いているのです。
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しかし、時既に遅し。青々と繁るススキ野原の中に、若白髪のように混じる枯れた葉は、これから尾花をつける棹となるはずだった葉です。

刈れた葉の付け根を見ると、尾花のつぼみ(という言い方で良いのか?)が納めらてていた部分が狙い撃ちに、無惨に喰い破られてしまっています。
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冬の茅刈りイベントで見た状況と全く同じです。
ここには既に下手人の姿はありません。

茅刈りを繰り返す事で雑草だらけだった斜面がススキの生い茂る野原になりつつあるのに、秋になっても一面の尾花が銀色に陽に輝くさまを見られないのは、ご近所に何とも申し訳ない思いです。
何より毎年種を飛ばせないままでは、ススキの今後が心配です。
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せめて犯人の顔だけでも拝んでやりたいと、原っぱをかき分けようやく見つけ出しました。
入り口?らしき小さな穴が上下にひとつずつ。しかし喰い破って出て来た様子はありません。

で、中に居たのがこれ。
酷い写真で失礼かとは思いますが、どなたかこれが誰だかご存知の方がおられましたら、ぜひとも教えてくださいませ。

※ニカメイガの幼虫のようです。山本正臣 http://twitter.com/#!/hitakijo 様が教えて下さいました。

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もう2本、穴あきのススキを見付けて家に持って帰り、どんな成虫になるか確認したかったのですが、ススキがすぐに枯れてしまい失敗でした。
相手がわかれば来年対策も考えられようというものですが、幼虫だけ、それもこんなピンぼけ写真だけで同定なんてできるものなのか甚だ不安ですが・・・