月別アーカイブ: 2009年11月

1122 茅葺きシンポ@神戸市北区

インフルエンザ対策のために5月開催予定が延期されていた、全国茅葺き民家保存活用ネットワーク協議会 第10回 シンポジウム「都市と農村の協働する茅葺き民家」が、11/21シンポジウム、/22見学会の日程で、神戸市北区にて開催されました。
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初日のシンポジウムは茅葺き民家を移築した八多ふれあいセンターで行われ、神戸における茅葺き再興への取り組みの他、全国各地での活動が紹介されたのに続いて、茅葺きと関わり合う活動を展開している学生たちを招いてのパネルディスカッションが行われました。

僕も自身が茅葺き職人となるきっかけをつくってくれた、母校の神戸芸術工科大学でのカヤテックコミュニティ」について紹介させて頂きましたが、

限界を超えて行こうとする集落での営みの模索を続ける、↓滋賀県立大学「男鬼楽座」、

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廃屋の再生プロジェクトから、むらづくりへ踏み込んで行こうとする、 ↓武庫川女子大学「古民家族」、

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さらに、工学院大学後藤研究室による、山梨県上条集落と福島県前沢集落での実践的な取り組みにについて発表され、活発な質疑応答が行われました。

2日目は地元の手により現役で使われている「下谷上の農村歌舞伎舞台」、再生され市民の集う場となっている「県指定重要文化財内田家住宅」、神戸最大の茅葺き民家である渕上さんのお宅を見学させて頂きました。
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今回特に印象に残ったのは、やはり元気な学生たちの活動報告で、いずれの活動も研究対象としてではなく、当事者として関わって行こうとする覚悟に満ちていたことに感心させられました。

茅葺きの魅力に触れた感動が、先輩から後輩へと生き生きと受け継がれていて、彼等の自主的な活動の継続が、茅葺きを支える人と自然の関わり合う生態系の環、人と人との営みの輪の一部として、既に欠かせない役割を果たしていました。
地道に積み重ねられる活動の様子は、まぶしく、頼もしく、元気を分けてもらう2日間でした。

ごあいさつ

「茅葺き職人のブログ」を訪ねて下さる皆様、
長らく更新が滞ってしまい申し訳ありませんでした。

屋根屋こと私、茅葺屋代表 塩澤は、7月に事故で脊椎を傷めて以来、リハビリのために入院しております。
下肢麻痺は回復の兆しが無く、自分が今でも茅葺き職人であるのか自信が持てませんが、残りの人生も茅葺きを生業として生きて行くことしか考えることができません。
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何よりありがたいことに、周りの人々の暖かい励ましと多大なご助力によって、茅葺屋としての活動は変わらず続けさせて頂けております。
未だ自分が登ろうとしている山の頂が、どれほど高いのかその全容すら眺めることも出来ずにいますが、茅葺きの繋いでくれた人の縁と、命あり上半身が自由であることに感謝して、一歩ずつ前に進んで行こうと思います。

今後とも茅葺屋をよろしくお願いいたします。