町屋の並ぶ京都の街中の幼稚園の生け垣越しに、かわいらしい茅葺き屋根があたまを覗かせています。
そろそろ傷みが目立つこちらの屋根を、ご縁があり葺き替えさせて頂くことになりました。
大きなウロを持ったトチノキの大木を、上手く柱にして建てられたキノコみたいなふたつの茅葺き小屋。それを渡り廊下がつないでいます。
大人がくつろぐには少し小さいけれども、幼稚園児にはちょうど良いスケール。
秘密基地のようなジャングルジムのような小屋の中を、園児たちははしごを駈け上ったり穴をくぐったり、走り回って遊んでいました。
せっかく文化財指定を受けても、誰からも忘れられてしまったホルマリン漬け標本みたいに「遺され」ている茅葺き民家も少なく無い中で、毎日たくさんの子供たちと暮らす屋根に関われるのは、職人としてもうれしいことです。
山城萱葺き屋根工事の皆さんに助けてもらいながら、葺き替えが始まります。