木造瓦葺きの日本家屋、でもその二階は日本の夏に快適な場所とはいえません。
断熱材入れて、気密性を高めて、エアコンの効きを良くして、屋根に太陽電池パネルを設置する、という方法もありますが、太陽電池でエアコンの電気代を賄うよりも、茅葺きにしてエアコン不要にした方が合理的だと思いませんか?
夏に涼しく快適な茅葺き屋根のやさしさを、田舎の茅葺き民家に限らず暮らしに取り入れる方法はないものかと模索しておりましたが、このほど「キセカヤ」というものを考案して、試しに縄文部屋こと淡河茅葺き屋根保存会くさかんむり秘密基地もとい事務所に施工してみました。
2階や屋根裏部屋の籠ったような暑さを除くため、瓦の温度を下げて輻射熱を防ぐ装置として、薄くても抜群の遮熱性能を発揮する茅葺きの特性を活用します。
まずは、稲ワラを元末揃えて編んで「苫(とま)」をたくさんつくります。ちょっとしたコツはありますが、きちんと習えば誰でもきれいな苫を編むことは出来ます。
何より高い屋根の上に登らなくても良いので、子供からお年寄りまで皆で手分けしてつくれるのが良いところ。
炎天下での作業は厳しいので、出来上がった苫を早速広げて陰をつくりました。
その涼しいこと!タープのつくる日陰なんかとはまるで違います。これはかなり期待できそうです。
最近の家は軒の出が短いので、長い庇を茅で葺いて軒を深くする。というような工法も優雅で面白いかもしれませんね。
もうやってますか?
ichide さん、コメントありがとうございます。
棟から二階のベランダへ、弧を描いて葺き下ろすキセカヤをデザインしたことがあります。
事情があって実現しませんでしたが、梅雨入り前に家族皆で苫を編んで葺き、夏を涼しく過ごしたら、台風が来る前に撤去。くるくる丸めて来年のためにしまっておきます。
苫葺きのベランダでの夕涼みは、ビールがおいしいと思いますよ。